高級洋菓子店「シェ・タニ」
最近、熊本市の高級洋菓子店「シェ・タニ」が、売れ残った商品「アマンドショコラ」の賞味期限を改ざんし、シールを貼り替えて数か月先延ばしにしていたことが発覚しました。この件は元従業員からの通報で明らかになり、熊本市保健所が調査を開始しました。会社側は事実を認めており、社長は「最終的には自分の責任」と述べています。
過去にも消費期限の改ざんがニュースがありましたが、改ざんした会社のその後について調査しました。
2007年「白い恋人」
2007年に発覚した「白い恋人」の賞味期限偽装事件は、北海道の人気土産菓子「白い恋人」を製造している石屋製菓が、約11年間にわたり賞味期限を1〜2か月延長して表示していたというものです。この問題が明らかになったのは、社内の指摘によるもので、すべての商品が回収され、製造停止に追い込まれました。また、同時期にアイスクリームやバウムクーヘンから食中毒を引き起こす可能性がある黄色ブドウ球菌や大腸菌群が検出されていたことも判明しましたが、これらは公表されず自主回収されていました。
この事件を受け、当時の社長が辞任し、企業の信頼は大きく失墜しました。しかし、その後の徹底的な改善策とブランド再建への取り組みにより、石屋製菓は業績をV字回復させ、2016年には売上高が過去最高を記録するまでに成長しています。
2007年「赤福餅」
赤福餅の賞味期限偽装事件は、2007年に発覚した大規模な食品不正事件です。三重県の老舗和菓子メーカー「赤福」は、売れ残りの商品を回収し、製造日を改ざんして再販売していたことが明らかになりました。この行為は、少なくとも2000年から続けられており、商品を再利用していたのは餅とあんこでした。これにより、赤福は無期限の営業停止処分を受けました。
また、赤福は回収した餅やあんこを再包装するだけでなく、一部を関連会社に販売していたことも判明しています。さらに、2007年の事件発覚後、社長が謝罪し、不正が組織的に行われていたことを認めました。
事件後は、徹底的な改善策を打ち出し、再起を図りました。営業再開後、赤福は新しいパッケージデザインや品質管理を強化し、再び業績を回復させました。
2010年代には、観光客の回復やブランド力を高めるための取り組みが実を結び、売上は徐々に改善。特に伊勢神宮参拝の人気とともに観光需要が回復し、再び赤福は観光地の土産物として定着しました。最終的には、赤福の信頼回復が成功し、ブランドの地位を取り戻すことができたとされています。
2023年9月 菜花堂
2023年9月、菓子メーカーのシャトレーゼは、子会社である岩手県一関市の「菜花堂」が製造した「濃厚ショコラテリーヌ」の賞味期限を改ざんして販売していたことを発表しました。問題の商品は全国の店舗やオンラインショップで販売されており、対象商品は4,344個にのぼりました。この改ざんは、内部通報によって発覚し、シャトレーゼはすぐに自主回収を行い、消費者に謝罪しました
改ざんを指示した子会社の社長は懲戒免職され、行政指導が行われましたが、幸いなことに健康被害の報告はありませんでした。
2021年 がんこ寿司
和食チェーン「がんこ寿司」を運営するがんこフードサービスが、冷凍の「笹蒸し寿司」の賞味期限を改ざんして販売していたことが発覚しました。この問題により、創業者の小嶋淳司会長が責任を取って辞任しました。
具体的には、2020年11月に賞味期限を迎えた商品に対し、9か月後の2023年8月末と表示したシールを貼り、販売を続けていたことが判明しました。健康被害は報告されていませんが、同社は調査委員会を設置し、再発防止策を講じるとしています。
まとめ
どのメーカーも社長指示で改ざんが行われ、内部通報で発覚しました。白い恋人や赤福餅は、ブランド力や会社の努力により、売り上げは回復したようです。お土産に白い恋人や赤福餅を頂いても過去の事件があったので今の管理はしっかりされている妥当と思い安心して頂いております。昨今フードロスの問題もありますし、消費期限に問題ない場合は製造時の消費期限設定を見直してほしいです。食品衛生上問題がある場合は、改ざんは許されませんので2度と起こらないことを望みます。
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